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乃木坂のガラスとウィーン・モダン展 [アート]

青空や向かい側の建物が映り込んだガラスの壁面を眺めるのが好きです。

安全性や熱効率、掃除の大変さを考えるとどうなんだろうと思いますが、

多分いろいろと改良されているのでしょう・・[ビル]

0612六本木.jpg0612六本木2.jpg

国立新美術館の全面ガラス張りのファサードや空中レストランも地震などの時

大丈夫かと心配でしたが、日本免震構造協会・作品賞をもらっているのですね。

0612国立新.jpg0612国立新3.jpg

ベネチアビエンナーレや京都で話題になった吉岡徳仁さんの「ガラスの茶室ー光庵」

も期間限定で国立新美術館前庭に設置され、美術館の建物とのコラボを楽しめます。

(吉岡徳仁さんは2020年東京五輪の桜型トーチをデザインされた方です。)

※光庵についてはこちらをご覧下さい。http://www.nact.jp/2019/chashitsu/


0612光庵.jpg0612光庵1.jpg

降り注ぐ太陽の光が虹となり花となる、風通しの良いコンパクト&シンプル

な茶室。ルーブル美術館前のガラスのピラミッドをちょっと思い出しました。

今度は是非、晴れた日に光が反射する所を撮影してみたいです(*^O^*)。左下の

ガラスのベンチ「Water Block」(オルセー美術館所蔵)も展示されています。

0612光庵ベンチ.jpg0612光庵・吉岡徳仁.jpg
現在、国立新美術館では前述の「ボルタンスキー展」と「ウィーン・モダン展」

の両方が鑑賞できます。こちらはウィーン世紀末の萌芽、分離派の誕生と終焉、

その後の表現主義へと続く美術界の潮流と、時代的背景(女帝マリア・テレジア、
ヨーゼフ2世の政策やフリーメイソンの啓蒙思想、市街地の拡大と大都市化等)
を絡めた興味深い構成になっていました。
クルツヴァイル「黄色いドレスの女性」とエゴン・シーレ「自画像」のポスター
をこうして並べてみると「美女と野獣」のよう。。(シーレさんゴメンナサイ!)

0612屋外ポスター.jpg0612エゴンシーレポスター.jpg

印象的だったのは、メッテルニヒのアタッシュケース、軍用トラベルセット、

クリムトの古典的な「寓話」や幻想的な「愛」、パートナーのフレーゲ姉妹が

デザインしたドレスや家具、エゴン・シーレの風景画や分離派展ポスターに、

オットー・ヴァーグナーの椅子や建築模型、ウイーン工房の食器や装飾品、

ココシュカのポストカード等々・・挙げたらきりがないほど見所が多くて

充実した、おすすめできる展覧会でした。


クリムトの「エミーリエ・フレーゲの肖像」(左上は撮影OKの実物)。

エミーリエ自身はこの絵があまり気に入らなかったそうですが東京都

美術館のクリムト展で展示されていた17歳の清楚な美少女(右上)

が、10年ちょっとでこんなに堂々と自立した女性になるとは・・!

エミーリエさんは美しくて聡明でカッコイイ方だったのですね。

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coco030705

こんにちは。
国立新美術館は建物自体が芸術的ですね。好きな建築です。
ガラスの茶室は、数年前、京都に来た時に見ました。お寺の高台にある見晴らし台に設置されていました。きれいですね。
ウィーン・モダン展は、大阪にも来ますので、それを待ちます。とても楽しみです。

by coco030705 (2019-06-16 14:33) 

うりくま

> coco030705 様
こんにちは。国立新美術館は、曲線が美しくて
何度行っても写真を撮りたくなってしまいます。
光庵は、京都のお寺の高台で日を浴びている方
がしっくりくるような気もしますが、吉岡氏の
作品を屋外で鑑賞できる貴重な機会、しばらく
楽しみたいと思います。ウィーン世紀末はよく
ある企画なのであまり期待していなかったので
すが、TVの「ぶらぶら美術&博物館」でかつて
ウィーンに留学していた事もあるという山田
五郎さんの解説を聞いた後だったので、尚更
面白かったというのもあるかもしれません。


by うりくま (2019-06-16 18:07) 

lequiche

ウィーン・モダン、勉強になります。
このところ時間がなくて引きこもりで (笑)
興味深い話には目がないです。
ウィーンとかベルリンとか、
東京と較べるとやはり歴史の差なのでしょうか、
単なる都市ではない気がします。

by lequiche (2019-06-16 22:17) 

うりくま

啓蒙主義の思想の普及とカトリック以外の宗派への
寛容令、死刑や農奴制の廃止他、各分野での改革に
よりウィーンには自由な精神を持つ知識人が集まり
文化の中心になっていき、市壁の撤去・市街地の
拡大で人口が急激に増え、中世から近代の大都市に
なっていったという様な事が解説に書かれていて、
改めて都市というのは有機的なものだと感じました。
クリムト、シーレ、ワグナーが相次いで亡くなり、
文化の中心は他の都市に移っていったというのにも
考えさせられます。(にわか知識で恐縮ですが。)
「単なる都市ではない」というのは含蓄のある言葉
ですね。その辺り、是非lequiche 様に掘り下げて
頂きたいです!以前取り上げられた「ベルリンは
晴れているか」も近日中に読むつもりです( ´艸`)。
by うりくま (2019-06-17 01:39) 

リュカ

美女と野獣!言い得て妙でniceを何十個もつけたいです(笑)

by リュカ (2019-06-19 00:31) 

うりくま

>リュカ様
ありがとうございます。
撮っている時は気がつかなかったのですが
映画を見たばかりだったので・・ドレスは
黄色だしシーレは性癖も野獣っぽい?(笑)
by うりくま (2019-06-19 00:45) 

響

ガラスも立派なアート素材ですね。
ベンチのガラスの厚みにビックリ。
それが作れる工場があるのね。
by (2019-06-20 15:24) 

うりくま

>響様
水面の波紋のような涼しげなガラスの
ベンチ、あの厚みなのでとても重くて
オルセーに設置する時は床を補強した
そうです@@。デザイナーだけでなく、
イメージ通りに作品を仕上げるのに協力
した裏方(職人さん?)にも、もっと光
を当ててほしいですね(^-^*)。
by うりくま (2019-06-21 00:21) 

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