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舘野泉さんと石田一郎さん [本・映画・TV・音楽など]

熱しやすく冷めやすい自分の、最近のマイブームは「舘野泉さん」です。

私が学生の頃から人気のあったピアニストで、お名前のイメージから勝手に

貴公子のようなエリートという印象を持っていたのですが、(^_^) 先日

「スイッチインタビュー達人×達人」の再放送を見て、ピアノへの尽きる事

のない情熱や、自然体で飾らないお人柄にすっかり惚れ込んでしまいました。

ひまわりの海

ひまわりの海

  • 作者: 舘野 泉
  • 出版社/メーカー: 求龍堂
  • 発売日: 2004/11/01
  • メディア: 単行本
舘野さんへの興味から(?)氏のCD(下記のものだけで左手の曲は持って
いませんが><)を日替わりで鑑賞するうちに、聞けば聞くほど味が出る
名曲と、繊細さと力強さを兼ね備えた演奏に魅了されてしまいました。
   シベリウス ピアノ名曲集 (1978年)
   グリーグ 叙情小曲集より(1974年)
   ピアソラ ブエノスアイレスの四季(1999年)
   セヴラック ピアノ作品集(2001年)副題「ひまわりの海」
             ※
同名の「ひまわりの海」という著書には、舘野氏ご自身が撮影された美しい
写真と共に、演奏旅行の話、作曲家についてのエッセー、2002年に脳溢血
で倒れてからの闘病生活、右手に後遺症が残り2年余で「左手のピアニスト」
として復帰されるまでのことが生き生きと綴られています。
             ※
舘野氏は1964年からフィンランドを拠点に活動され、倒れられたのは
60代。周囲には悠々自適の年金生活や、指導や著作をメインに活動する事
を勧める人もいたそうですが、それはご本人にとっては「余計なお世話」。
「左手だけで弾こうが鼻で弾こうが、そんなことは関係ない」「生きて
いるのがまた楽しくなった」と思えるようになる迄の軌跡に痺れました。
             ※
80歳を越えた今でもコンサートをこなされ、様々な音楽祭を軌道に乗せ、
左手のための委嘱曲や隠れた名曲を演奏されるなど精力的に活動されて
いらっしゃることに驚かされます。舘野氏も自分も元気なうちに、コン
サートに行ってみたいです。(更にご高齢のフジコ・ヘミングさんのも)
             ※
余談ですが、「ひまわりの海」を読んで驚いたことがもう1つありました。
「北国の青い山なみ」という章で、セヴラック好きという共通点がある作曲家
・石田一郎さんの想い出を書かれているのですが、そこにあった石田氏の言葉
を読んで、「あ!こういう曲を弾いたことがある・・」と思ったのでした。
  「わたしは 北国の青い山なみを 歌ってきたのです」
  「大気の澄み切った、あの透明なところに私は惹かれるのですよ。」
小学生の頃ピアノを習っていたのですが、大好きだったその曲を弾くと、上記
のような光景が目に浮かぶように感じられたことを思い出しました。ずっと
本棚の奥に埋もれていた楽譜を探し出してみると、やはりそうでした。(≧∀≦)
              ※
「子守唄」石田一郎(1909~)(ピアノ科中級テキストあたらしいピアノ2)
              ※
小学生の自分には作曲されたのがどういう方なのか知る術もなく40年以上も
経ってしまいましたが、この本を読んで初めてその人となりを知りました。
舘野さんに思いがけずプレゼントをもらった気がして嬉しかったです(^0^)。
              ※
追記:いつ購入したのか覚えがない「グリーグ ピアノ曲集2」という楽譜も
一緒に発掘され、叙情小曲集の中で特に好きな曲(「バラード風に」)も
載っていました(*_*)。

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コメント 5

coco030705

舘野さんのように、才能のある人は一生その才能を生かしていきたいという思いが強いのでしょうね。どんなことがあっても、才能が人にそうせずにいられないように働きかける、ともいえると思います。すばらしいお話ですね。
それに懐かしいピアノ曲も思い出されてよかったですね。これから再び練習なさるのかしらと思いました。
by coco030705 (2020-01-29 21:17) 

ニッキー

長い時間の後に思いがけず大好きな音楽を
深く知ることができるなんて素敵な出会いでしたねぇ( ^ω^ )
by ニッキー (2020-01-29 22:02) 

うりくま

> coco030705 様
最初は両手で弾けるようになることを疑わずに
リハビリに励まれていたのが、様々な事を諦め
手放さなければならなくなった辛い時期を経て、
再びピアノを弾く喜びを取り戻されていく過程
が率直に綴られていました。ピアノを弾いてい
ないと生きている気がしないというのは、生涯
現役を目指すアスリートと同じなのでしょうね。
それも、委嘱曲を頼める舘野さんの人脈と弾き
こなす才能がなければ実現できないですよね。
並列して書くのもおこがましいですが、私の方は
腱鞘炎で弾かなくなって久しいので、もう指が
もつれて弾けません。というか元々演奏を聞く方
が好きだったような気もします。(^^;)

>ニッキー様
ありがとうございます。
石田さんご自身も、作られた曲に通じるような
素朴で実直な方だったらしく、ドキドキしながら
楽譜を探しました。断捨離する前に見つかって
よかったです(笑)。たまに何年も経ってから
「そうだったんだ!」と判るような出会いがあり、
長生きするのも悪くないと思います(*´∀`*)。
by うりくま (2020-01-30 00:21) 

JUNKO

人間の生き方のすばらしさを身をもって示してくださいますね。立派な方です。
by JUNKO (2020-02-01 15:04) 

うりくま

>JUNKO様
音楽の神様に呼び戻されるように復帰された事、
舘野さんにしかできない分野を開拓されたこと、
大変な時のことも笑顔で語られること、演奏家
としても人としても素晴らしいと思います。
今でも各地にファンクラブがあるだけのことは
あります。舘野さんの前向きな言葉を集めた本
も出版されているようですね(^^)。
by うりくま (2020-02-01 23:26) 

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