メトロポリタン美術館展 [アート]
少し前の事になりますが、「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」に
行きました。終了間近でもあり、日時指定があっても割と混雑していました。
既に多くの方が鑑賞されているので、備忘録として・・。
ルネッサンスから近代に至るヨーロッパ絵画のコレクションの中から選りすぐ
りの65点(46点は日本初公開)を迎えた本展示は、贅沢な美術史の授業の
よう。その後の時代の作品はMoMA(ニューヨーク近代美術館)で鑑賞できるように
なっているのですね。
左上:カルロ・クリヴェッリ「聖母子」。母子が顔をしかめて見ている
のは悪や疫病の象徴である蠅。右上:ブーシェ「ヴィーナスの化粧」
ニコラ・プッサン「足の不自由な男を癒す聖ペテロと聖ヨハネ」。
ラファエロの「アテネの学堂」との関連性に、成程と思いました。
今回最も見たかったジャン=レオン・ジェロームの「ピュグマリオンと
ガラテア」。象牙の彫像が生身の女性に変っていく瞬間の驚きと喜び、
艶めかしさが伝わってきます。背後の不気味なマスクや不穏な雰囲気は
キューピッドが巻き起こす悲喜劇を暗示しているのでしょうか。
こちらの理想化された女性像(均整が取れていて美肌)と、クールベの
「水浴する若い女性」の現実的な姿?は並んで展示され、比較できます。
フェルメール「信仰の寓意」 ルカス・クラーナハ「パリスの審判」
どちらの展覧会も行けなかったので、1点ずつでも鑑賞できて嬉しい。
ターナーの「ヴェネツィア、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ
聖堂の前廊から望む」は、眩しい光を放っていてちょっと幻想的。
※
他にもフラ・アンジェリコ、エル・グレコ、ルーベンス、ティツィ
アーノ、フラゴナール、カラヴァッジョ、コロー、シスレー、マネ、
ルノワール、ゴッホらの名画をまとめて鑑賞できて、ヨーロッパの
文化や世相の一端も学べる美術展はなかなか見応えがありました。
※冒頭の7枚は入口で撮影。他の画像は展覧会HPより引用し、
TVの「ぶらぶら美術館・博物館」の解説も参考にしました。
2022-05-26 19:00
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コメント(2)
確か先に大阪に来ていたはずなのに、見逃しました。残念です。
ターナーの絵、すばらしいですね。絵の中から観ている者の方に、光が差してくるように思えるほど明るいですね。大好きな画家です。
「ピュグマリオンとガラテア」、こんな面白い絵があったのですね。観たかったです。
by coco030705 (2022-05-26 21:29)
>coco030705様
大坂の方が先だったのですね。コロナが下火になったとは
いえ、遠方から行くのは難しいかと諦めかけていました。
簡単にチケットが取れたので人数制限を緩和したのかもし
れません。 メトロポリタン~は、アメリカ人の美術教育
の為に作られたので、オリジナルで美術史を学ぶ感じです。
ジャン=レオン・ジェロームのようなアカデミックな巨匠
に異を唱えたクールベの方が後世に名を残すなど、現状の
否定や破壊から潮流が変っていくことも実感しました。
逆に当時は古くさいと思われたものでも、流行と切り離し
て見ると目新しさもあり、良さが再認識できるのかも。。
今では当たり前のように享受していますが、茶色っぽい
絵が続いた後のブーシェやターナーの色彩の美しさには
息をのみました。ターナー、私も大好きです(^-^*)。
by うりくま (2022-05-28 11:01)