「自然と人のダイアローグ」展

国立西洋美術館リニューアルオープン記念の展覧会に行きました。

ドイツのフォルクヴァング美術館との共同企画で、「自然と人のダイ

アローグ（対話）から生まれた近代の芸術をたどる展覧会」とのこと。

クロード・モネ「雪のｱﾙｼﾞｬﾝﾄｳｲﾕ」　/　カミーユ・ピサロ「ﾙｰｳﾞｼｴﾝﾇの雪景色」

を始め、2つの美術館の所蔵品を見比べながら、自然との対話というコンセプト

に相応しい多くの作品を鑑賞することができます。例えば・・

上記はどちらもクールベの「波」という作品ですが、左は国立西洋美術館

（松方コレクション）のもので、右はフォルクヴァング美術館の所蔵品です。

（※フォルクヴァング美術館の所蔵品には緑色に網掛けしてあります。）

異色の組み合わせが作品の新たな魅力を引き出しているものもありました。

クロード・モネ「舟遊び」/ゲルハルト・リヒター「雲」（油彩）。舟から

空を見上げるとこんな感じだったのかも？と思わせる、面白い展示でした。

       　　　　　　　　　　　　　　※

どちらの美術館も個人（松方幸次郎、カール・エルンスト・オストハウス）の収集

品を基にしていますが、戦禍で焼失したり、ナチス政権下で退廃芸術として焼却さ

れてしまったものもあるとか。こんなご時世ですが、一時は押収、売却、散逸の

憂き目に遭った作品が現在、こうして鑑賞できるようになったのは有り難いですね。

　

モネの「ルーアン大聖堂のファサード（朝霧）」と「陽を浴びるポプラ並木」。

撮影できますが、実物のまばゆい美しさは再現できていません（ｍ－－ｍ）。

　

ポール・シニャック「サン＝トロペの港」/「ポン・デ・ザール橋」

フィンセント・ファン・ゴッホ「ばら」/「刈り入れ」（刈り入れをする人のいる

サン＝ポール病院裏の麦畑」。この隣にピサロの「収穫」が展示されていました。

 

カミーユ・コロー「ナポリの浜の思い出」/クリスティアン・ロールフス「森の中」

　　ｼﾞｮｳﾞｧﾝﾆ・ｾｶﾞﾝﾃｨｰﾆ「羊の剪毛」　　/　ﾏｯｸｽ・ﾘｰﾊﾞｰﾏﾝ「ﾗｰﾚﾝの通学路」

アクセリ・ガッレン＝カッレラ「ケイテレ湖」

ﾃｵ･ﾌｧﾝ・ﾚｲｾﾙﾍﾞﾙﾍ「ブローニュ＝シュル＝メールの月光」。

上の2点がとても美しくて、しばらく見入ってしまいました。

そして、今回の目玉でもある19世紀ドイツ・ロマン派の絵画。

カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ「夕陽の前に立つ女性」

自然に身を委ねているような、ある種の希望が感じられます。

フリードリヒの絵の内省的、神秘的な所が昔から好きでした。

　

ｶｰﾙ・ｸﾞｽﾀﾌ・ｶｰﾙｽ「高き山々」/ｶｰﾙ・ﾌﾘｰﾄﾞﾘﾋ・ｼﾝｹﾙ「ﾋﾟﾍﾙｽｳﾞｪﾙﾀﾞｰ近郊の風景」

印象派や風景画だけでなく、下記のような作品も展示されていました。

　　　　モーリス・ドニ「踊る女たち」　/　　ポール・ランソン「ジギタリス」

ﾊﾟｳﾙ･ｸﾚｰ「月の出（ｻﾝｼﾞｪﾙﾏﾝ界隈）」　/　ｳﾞｧｼﾘｰ・ｶﾝﾃﾞｨﾝｽｷｰ「小さな世界Ⅳ」

ｵﾃﾞｨﾛﾝ･ﾙﾄﾞﾝ「雲を狙うｹﾝﾀｳﾛｽ」/ｴﾄﾞｳﾞｧﾙﾄﾞ･ﾑﾝｸ「ｵﾒｶﾞの死」「ｱﾙﾌｧの死」

これも自然との対話？　一瞬、蛭子能収さんの漫画かと・・（ｽﾐﾏｾﾝ）。

コメント 7

すばらしい作品ばかり。選りすぐりの美術展ですね。行きたい！

by coco030705 (2022-07-13 21:39) 

フィンセント・ファン・ゴッホ「ばら」/「刈り入れ」がやっぱり好きですが、どの絵もすばらしいですね。パウル・クレーも大好きです。
ﾃｵ･ﾌｧﾝ・ﾚｲｾﾙﾍﾞﾙﾍ「ブローニュ＝シュル＝メールの月光」もすごく美しいです。ちょっと寂し気なところがいいですね。
あぁ、行きたい！
by coco030705 (2022-07-13 21:43) 

＞coco030705様
コメント頂き、ありがとうございます（ｍ＾＾ｍ）。
半分はお馴染みの松方コレクションなので、どうしよう
かなと思ったのですが、海外の美術館にも見劣りしない
し、フリードリヒの作品も観られるとあって行ってみま
した。展示方法や切り口も工夫され、教科書的でない面
白さが感じられました。他にも好きな作品が多すぎて載
せきれず・・。殆どが撮影可なのに、最も撮りたかった
イヴ・タンギーの「恋人たち」は撮影不可でした～。

ゴッホの作品も自然との対話というテーマにピッタリで
すね。太陽の下で刈り取られる麦＝人間だそうで・・。
4回目の予防接種が進んだら少しは治まるでしょうか。
9/11迄なので、coco様の為にも間に合いますように！
by うりくま (2022-07-13 22:40) 

あら、ステキな企画展ですね♡
やっぱりモネはいいわ♡　大好き♡
by のらん (2022-07-16 11:30) 

＞のらん様
どこの美術館も所蔵品を基本に知恵を絞って企画
してくださっているなあと思います（ｍ＾＾ｍ）。
モネの大聖堂は白く輝いていて、美しさに改めて
胸を打たれました。睡蓮も撮ったのに、何故か画
像が上げられず残念です。（スマホを変えてから
使い方がいまいち判らず画像も暗いですよね＞＜）
by うりくま (2022-07-16 13:26) 

リニューアルオープンしたのですか。うれしいですね、撮影許可のものもあるんですね。
by JUNKO (2022-07-16 20:28) 

＞ＪＵＮＫＯ様
事前予約制ですが、２０００円で人がまばらな常設
展示も全て観られる為、かなりお得感があります。
ほとんどが撮影可能なのにも驚きました。
by うりくま (2022-07-17 00:16)