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サグラダ・ファミリア展&スペーシアX [アート]

東京国立近代美術館で開催中の「ガウディとサグラダ・ファミリア展」。

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“未完の聖堂”サグラダ・ファミリア(聖家族贖罪教会)は1882年の着工
以来、資金難や、設計・建築に心血を注いだ二代目主任建築家アントニ・
ガウディの事故死、スペイン内戦、新型コロナ蔓延などで度々中断しな
がらも、2026年(=ガウディの没後100年)の完成を目指して今も建設
工事が続いています。([左斜め下]リーフレットより完成模型。撮影可能です。)

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今回はガウディのライフワークとなった聖堂に焦点を絞り、貴重な設計図、

ガウディノート、模型や写真と共に、「歴史」「自然」「幾何学」という
3つのキーワードから、その建築思想と造形原理をを読み解く、とのこと。      
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ガウディの出身地カタルーニャ地方の独特な歴史や文化、万博の影響などは
予想がつきますが、カッパドキア、洞窟・鍾乳洞も当時ブームになっていた
というのは意外でした。ガウディの建築も洞窟・鍾乳洞っぽいですね。
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また、産業革命で貧富の差が広がり、パトロンとなるグエル氏の様な裕福
な実業家がいる一方、生活苦に喘ぐ市民の為の贖罪教会が必要とされた事。
若いガウディがグエル氏から公園、邸宅、教会の設計・建築を請け負う中
で培った経験と実験の成果が贖罪教会にも生かされていた事が判りました。
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ガウディは幼少時から自然観察を好み、その場に生えている植物を型取り
して建築の装飾に用いることもあったようです。(カサ・ビセンスなど)
         ~ガウディの言葉~
 「自然には、なに1つとして単調で画一的なものはない」
 「全ては大自然の本から生まれる」「サグラダ・ファミリアの工事は
  ゆっくり進む。クライアント(神)は急がないからね」
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サグラダ・ファミリアの装飾には他の教会同様、宗教的な意味が込められ
ていますが、センス・オブ・ワンダーをもたらす生命体、小宇宙のような
感じもあります。巨大な樹木が茂る森に木漏れ日がさすような内部空間、
鐘楼のカラフルな梨やスモモ、生誕のファサードの昆虫や氷柱等、見る度
に発見と驚きがある稀有な建築といえるのではないでしょうか。
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画像はありませんが、ガウディが重力に逆らわない自然の法則を探った
逆さ吊り実験や、直線で作る曲面・パラボラ(放物線)アーチの再現も
面白いです。意外にもガウディは何種類もの縮尺で石膏像を作って細部
まで計算したり、施工のしやすさも考えていたのだそうです。
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本展の目玉、ファサード正面「歌う天使たち」の石膏像↓。ガウディが
残した石膏模型の写真を元に主任彫刻家・外尾悦郎氏が制作され、現在
の石像ができるまではこちらが現地で使われていたのだそうです。
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それにしてもガウディ自身、ほとんど無償でこの仕事を引き受け、資金
集めに奔走し私財を投じ、晩年は聖堂造りに専念していたという、その
憑りつかれたような情熱には驚かされます。身なりにも構わなかった事
もあり、路面電車に轢かれた時も浮浪者と間違われて放置され、手遅れ
になってしまった、という逸話は悲しすぎますが・・。[もうやだ~(悲しい顔)]
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多くの図面や模型が焼失・破損し、わずかな手がかりから後任の方々が
ガウディの意図を汲み取り、遺志を受け継いで造り続けているのも奇跡
的なことだと思います。ガウディの魂、DNAは生き続けているのですね。
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近年のIT技術の進歩が建設にも役立っているそうですし、平和な世の
中が続いて聖堂の完成を見届けられることを願わずにはいられません。
※2021年にマリアの塔が完成した際の4Kドローン映像を会場で観る
 ことができます。これは何度見ても心が洗われますね(^^)。
「サグラダ・ファミリア」で新たに完成した「聖母マリアの塔」。頂点では巨大な「ベツレヘムの星」が輝いている。070529.jpg
               ※
余談ですが、30年以上前に確か草月会館?で勅使河原宏監督&武満徹の
映像詩「アントニー・ガウディ」を観て、ガウディのファンになりました。
感動して建設のための募金もしたような記憶があります。いつか本物を見
に行きたいと思っていましたが、多分実現することはないでしょう・・。
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・・等とバレスサイドビルの「くいものや じゃぽん」で餃子定食を
食べながら黄昏ていたら、お店の福引で500円券が当たりました。
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といっても、しばらく行くこともないから使えないのですが。[ふらふら]
更に、ボーっとしながら電車を降りると、ホームの向かい側に
新型車両の特急「スペーシアX」が停車しているではないですか!
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2023年7月15日に運行開始予定。間もなくですね。
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端の車両にはホテルのラウンジのようなソファーが見えます。
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2~3人の鉄ちゃんとはしゃいでいると、駅員さんが「どうぞ
撮って下さい」と仰って、料金の説明などもして下さいました。
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陽明門の胡粉塗を意識したという陶磁器のような白色にXの形
の窓がスタイリッシュ。(バツじゃなくてエックスですよ。)
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QRコード付きのカードも頂きました。個々のパーツがシールになっ
ていて、ちょっと嬉しい♡東武鉄道さん、ありがとうございます。
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詳しい情報は下記をご覧ください。↓

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コメント 6

TaekoLovesParis

サグラダ・ファミリアには2回行きました。1991年、バルセロナ・オリンピックの前の年に行ったときは、まだ細い塔が4本くらいだったのに、20年後には塔が増えて大きな建造物になっていたのでびっくり。
洞窟や鍾乳洞をイメージして建てられたのですね。同じくガウディ設計のグエル公園は、資金提供のグエル氏の名前を付けたのですね。ここにも、蔦の絡む洞穴があって、印象的でした。
夏休みに学生・生徒が見るのにもよさそうな展覧会ですね。
by TaekoLovesParis (2023-07-08 21:42) 

うりくま

>TaekoLovesParis 様
おお~、taeko様は2度も行かれているのですか!羨ましい!
サグラダファミリアは以前から中にも入れたのでしょうか?
バルセロナオリンピック後、観光収入の増加により工事が
急速に進んだそうで、それまでは完成に300年かかると
言われていたというのは本当だったのですね(*_*;)。
私がスペインに行った1980年代はまだバルセロナは治安
が悪いと言われていて、トレドやマドリードしか行かなかっ
たのが悔やまれます。グエル公園やグエル邸も行きたい~。
フレディのバルセロ~ナ!の歌声が脳内を駆け巡っています。

展覧会はさほど混んではいませんが、図面や模型に張り付
いて離れない熱心なファン?が結構いらっしゃいました。
自分でも実験したりすると良い自由研究ができそうですね。
by うりくま (2023-07-08 22:41) 

あおたけ

わぁ!「スペーシアX」!
かっこいいなぁ~!(゚∀゚)
デビュー前の試運転に遭遇するなんて
ラッキーでしたね(*´▽`*)
私はまだ見たことがないので羨ましいです☆
by あおたけ (2023-07-09 06:47) 

うりくま

>あおたけ様
目の前に陶器のような車体が見えた時には驚きました。
株主優待だったか?試乗会の案内も来ていたのに家族が紛失
してしまい、がっかりしていたので猶更嬉しかったです。
従来のスペーシアも日光方面に行く際にたまに個室を利用
したりしてお世話になりました。Xにも乗ってみたいです!

by うりくま (2023-07-09 10:08) 

coco030705

サグラダファミリア展、魅力的ですね。私はまだ1度しかいっていませんが、何度でも行きたいところです。サグラダファミリアに、完成は本当にあるのでしょうか。完成しなくてもいいような気もしています。
by coco030705 (2023-07-15 23:47) 

うりくま

>coco030705様
やはり何度でも行きたくなる所なのですね。(@_@)
1度でいいから行ってみたいです~。
ガウディは「工期は長ければ長いほどいい」みたいな事を
言っていたようで、完成しても初期に出来た部分の補修も
行っているので結局工事は続くみたいです。(^^;)。
「何世代にも亙って手をかけて育てていく建築」というの
も良いかもしれないですね。(予算が許せばですが。)

by うりくま (2023-07-16 20:14) 

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