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バッタを倒しにアフリカへ [本・映画・TV・音楽など]

最近読んだ本。これはとても面白かったです![左斜め下]

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

バッタを倒しにアフリカへ

(光文社新書)

  • 作者: 前野 ウルド 浩太郎 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2017/05/26
「バッタを倒しにアフリカへ」前野ウルド浩太郎

研究対象のサバクトビバッタを観察するため、果敢(無謀?)にも

モーリタニアでのフィールドワークに挑んだ秋田出身のポスドク・

前野浩太郎さんの抱腹絶倒の奮闘記。バッタの生態や現地の人々の

知恵や習慣、研究者として生き残る大変さ等、知らないことだらけ

でした。子供の頃から「バッタに食べられたい」というのが夢で、

14年間ふれあい過ぎてバッタアレルギーになってしまったという

前野博士。かつて愛読した椎名誠の「怪しい探検隊シリーズ」を思

わせる様な、ユーモアたっぷりの軽いタッチで楽しませてくれます。

この本の印税が少しでも研究の足しになってくれれば幸いです。

               ※

旱魃世界 (創元SF文庫)

旱魃世界 (創元SF文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2021/03/19
  • メディア: Kindle版
「旱魃世界」J・G・バラード 山田和子・訳
「旱魃(かんばつ)世界」の廃墟になっていく街、人々の逃避行など
は、映画「太陽の帝国」に描かれたような作者の実体験に基づいたも
のもあるのかなと思いました。かなり昔の本なのに、今読んでも新鮮
というか、これからの都市の行く末を予言しているように思えます。
大した起承転結もなく世界が静かに崩壊していく話を読むと、気持ち
が妙に落ち着くのは何故でしょう・・不思議です。
(1964年に上梓された「燃える世界」を翌年改稿したものです。)

                ※

現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)

現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)

  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2014/01/10
  • メディア: Kindle版
「現代語訳 論語と算盤」渋沢栄一 守屋淳・訳
浮き世離れしすぎないよう、ベストセラーも読んでみました。
渋沢栄一さんの功績の偉大さは言うまでもありませんが、女性を蔑視
せず、財閥も作らなかった所はポイント高し。こちらは失敗談も含め
講演会でのお話をまとめたものなので判り易く、経営者の方々がお好
きそうな本だなあと思いました。もっと若いときにに読んで芯になる
ものを意識していれば、人生違ったものになったかな?どちらかとい
うと私はご親戚の龍彦さんの方に共感を覚えるタイプです(^_^)。
               ※

ライオンのおやつ

ライオンのおやつ

  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2019/11/05
  • メディア: Kindle版
「ライオンのおやつ」小川糸
風光明媚なホスピスを舞台に、人々との交流、家族との絆の再生、
穏やかながらも些細なことで心が揺れる最後の日々を、末期癌を
宣告された若い女性の目を通してファンタジックに描いています。
と冷静に書いていますが、涙だだもれになりながら読了しました。
              ※
生物はなぜ死ぬのか (講談社現代新書)

生物はなぜ死ぬのか (講談社現代新書)

  • 作者: 小林 武彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2021/04/14
  • メディア: 新書
「生物はなぜ死ぬのか」小林武彦
生き物の起源や進化の過程を宇宙の誕生にまで遡って解説してくれる
生物学の本。行き着くのはやはり多様性の大切さ。性や個という枠も
本来は厳密ではなく、状況によって変る曖昧なものなのかも・・。
個体としての老化や死は、種が変化に適応し生き残るためには必要で
予め組み込まれたものという事は納得しましたが、死への恐怖をどう
克服するかという問題は生物学ではなく別の分野(哲学、心理学、
宗教など)で考えるべきことなのですね。
             ※
久しぶりに映画も見ました。
ヒア アフター [Blu-ray]

ヒア アフター [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2012/04/25
  • メディア: Blu-ray
「ヒア アフター」とは、「来世」のことだそうです。
三者三様の理由により死後の世界に囚われて、人生崖っぷち状態に
なっている元霊能者、臨死体験をした女性キャスター、双子の兄を
喪った少年。導かれるように英国のブックフェアで出会い、それぞ
れが現実と向き合えるようになっていく・・。
衝撃的な津波のシーンが冒頭にあり、偶然封切り中に東日本大震災
が起ってしまったため上映中止になり、その後、興行収入の一部が
寄付されたのだそうです。監督はクリント・イーストウッド。作り
手の真摯な姿勢と希望が感じられる良い作品でした。「ディケンズ
の家・見学ツアー」が登場するのにも興味を持ちました。(小学生
の時、お小遣いで初めて買った文庫本が星新一のショートショート
とディケンズの「クリスマスキャロル」でした。♫) 

nice!(36)  コメント(13) 

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コメント 13

lequiche

ええええっ?
The Drowned WorldとThe Droughtは違うんですね。
知りませんでした。早速買わないと。
短編全集全5巻は全巻買いましたがまだ読んでいません。(爆)
by lequiche (2021-06-17 00:38) 

うりくま

> lequiche 様
あとがきによると、『燃える世界』は全15章だったのが、
『旱魃世界』では42章と細かく分割されている他、単語
の書き換えや加筆など、さまざまなレベルで改稿されて
いるそうです。私も最初は翻訳者が違うだけかと思った
のですが、「燃える世界」は現在手に入れるのが困難で
詳しい違いは検証できておりません。(m--m)
短編集全5巻、揃えられたのですね!1巻(時の声)だ
けでも買おうか迷い続けて数ヶ月になりますが(笑)、
また廃版にならない内に買った方が良いかなあ・・。
by うりくま (2021-06-17 01:39) 

lequiche

創元文庫を調べたらほとんど品切れなんですか。
これはよくないです。創元社に復刊のお便りを出そう!(笑)
それに短編全集は高いですね。
買うんだったら1巻と3巻でいいと思います。と断定。
3巻には「終着の浜辺」と「溺れた巨人」が入っていますから。

翻訳者の山田和子先生には以前、
何度かお会いしたことがありますが、
先生は私のことなど覚えていないでしょう。(^^)
by lequiche (2021-06-17 02:39) 

リュカ

ライオンのおやつ、号泣したのを思い出しました(笑)
旱魃世界、面白そうなのでチェックします♪
by リュカ (2021-06-17 15:26) 

うりくま

> lequiche 様
実は lequiche 様のオススメをお聞きしたかった
ので嬉しいデス!1&3巻、ポイントを貯めて買
おうと思います~♫(@^▽^@)

そういえば、バラッドと書いてしまいましたが、
表記をバラードに訂正しました(m--m)。

lequiche 様は翻訳に関わるお仕事をされていらっ
しゃるのでしょうか?読解レベルも読書量も違い
過ぎて恐れ多いですが、いろいろ教えてください!
by うりくま (2021-06-17 23:31) 

うりくま

>リュカ様
「ライオンのおやつ」、リュカ様も読まれたの
ですね。近々ドラマ化されるようです。
職場の若者が末期癌と診断されて療養中なので、
読みながら尚更泣けてきました。。
「旱魃世界」、つい「ソウバツ」と読みそうに
なります。(^Д^)。3月に出版されました。
by うりくま (2021-06-17 23:40) 

lequiche

いえいえいえいえ。そんなお仕事はしておりません。
私、英語は苦手です。(^^;)
吾妻ひでおの『不条理日記』に
「終着の浜辺」をおちょくったマンガがあります。
by lequiche (2021-06-18 02:09) 

うりくま

> lequiche 様
いや~、ただ者ではない方のご謙遜と受け止め
ました。「苦手」の次元が違うに違いない。。
バラードの短編をおちょくる漫画とはまた、
判る人にしか判らない世界ですね~(゚o゚;)。
吾妻ひでおさんの漫画は読んだことがないです。
「不条理日記」「失踪日記」、いつか読みたい
ですが、その前にまず3巻を購入しないと!

そういえば2作品の違いについては「旱魃世界」
の訳者あとがきに割と詳しく載っていたので、
ご参照ください(m--m)。
by うりくま (2021-06-19 01:31) 

coco030705

こんばんは。
「ライオンのおやつ」は映画になるのではないですか。ドラマだったかな。読んでみたいです。
「ヒア アフター」劇場で観ました。そのすぐ後で、あの大震災が来ました。津波シーンが生々しかったです。また再見したいですね。
by coco030705 (2021-06-22 00:42) 

coco030705

何度もお邪魔します。
「ヒア アフター」の記事書いていましたので、失礼ながら添付させていただきます。よかったらご覧くださいませ。

「ヒア アフター」
https://april2605.blog.ss-blog.jp/2011-02-21
by coco030705 (2021-06-22 00:49) 

うりくま

>coco030705様
「ライオンのおやつ」、ドラマではホスピスの
経営者を鈴木京香さんが演じられるようなので
そこは期待しています。
「ヒア アフター」の御記事を拝見して、そう
そう、そういう話だった!と思い出しました。
教えて頂き、有難うございます(m^^m)!
劇場で鑑賞された方も結構いらしたのですね。
波に呑まれる映像がリアルすぎて、3.11の時
にはさぞ驚かれたのではないでしょうか。
興味本位で近づいてきてショックを受けた女性
のその後が心配ですが、不幸につけこむような
悪人はおらず、心温まる結末に救われますね。
by うりくま (2021-06-23 01:00) 

TaekoLovesParis

私も「ライオンのおやつ」を読みました。小川糸さんの「ツバキ文具店」の爽やかさが好きだったので、続編の「キラキラ」「食堂カタツムリ」もその流れで読みましたが、やはり、ツバキが一番でした。ライオンのおやつで、取り上げられたホスピス、その後の作品「とわの庭」も、背景が似ていますが、私はこちらの方が視野が広がる感じでした。
by TaekoLovesParis (2021-06-27 11:11) 

うりくま

> TaekoLovesParis 様
小川糸さんの作品をたくさん読んでいらっしゃる
のですね!ツバキ文具店は多部未華子さん主演の
ドラマで見て、いい雰囲気だなあと思いました。
本は家にありますがまだ読んでいなくて・・続編
がある事は知りませんでした。近いうちに読んで
みようと思います。(m^^m)
by うりくま (2021-06-27 12:04) 

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