最近読んだ本(2023・9月~) [本・映画・TV・音楽など]
先日の横尾龍彦展に展示されていた、「メルヘンの部屋11 誕生石」という本が忘
れられず、古書店サイトを検索。1100円で出ていたので、購入してしまいました。
乙竹宏氏による誕生石に纏わる12篇のエッセーと宝石の写真、横尾氏の絵の
印刷の感じも、懐かしい昭和の香りがします(1978年頃のものと思われます)。
調べてみると、世界文化社から18巻発行された「世界の詩とメルヘン」という
シリーズの1つで、文庫サイズの「メルヘンの部屋」と「詩画集」「カセット」
が箱に入ってセット販売されていたようです。
検索すると他にも魅惑的な組み合わせが↑。なるほど、こういう形だったのですね。
「メルヘンの部屋7 香りのおもいで 文:中井英夫 香水に寄せる11の脚韻詩の試み
画:建石修志」 「詩画集7 大地と宇宙のあいだ 画:松永禎郎 詩:エドガー
・アラン・ポー、他」カセットは「新世界より(アメリカ)」というテーマで
「蜜の味」 「アクエリアス」等が一応聞けます。カセットってこんな音でしたね。
こちらもほぼ定価でしたが、物価が違う当時としては結構贅沢なセットだったの
ではないでしょうか。
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幻想系にしばらく浸りたくなり、図書館で探したら下記の本がヒットしました。
「中井英夫全集 11 薔薇幻視」文:中井英夫 写真:佐藤明(創元ライブラリ)
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ほんわかした後は、バランスを取ってディストピアっぽいものを。
新型コロナ蔓延初期の緊迫感や閉塞感を上手く描いていますね。
「緊急事態下の物語」尾崎世界観/金原ひとみ/真藤順丈/
瀬戸夏子/東山彰良
その他・・。
「地政学(サクッとわかるビジネス教養」奥山真司
「百歳の哲学者が語る人生のこと」エドガール・モラン
「障害者支援員もやもや日記」松本孝夫
「近代能楽集 改版」三島由紀夫
「あたしたちよくやってる」山内マリ子
「家族じまい」桜木紫乃 ←身につまされます。
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それと、今年60代で亡くなったいとこ(美学者、記号学者)の追悼文集を
読みました。とても賢いお兄さんで、私が阿部公房にはまっていた高校生の頃
カフカの「アメリカ」(現在「失踪者」というタイトル?)について解説して
くれたりしました。ポスト構造主義や記号論などは私の理解が追いつきません
でしたが、もっとお話を聞きたかったです。ご冥福をお祈りいたします。。
2023-10-02 01:43
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コメント(4)
こういう本があったんですね。
カセットテープとセットになっているというのが
その頃の時代を感じさせます。
金原ひとみといえば『本の雑誌』で
3万円で好きな本を買ってそれを公開という企画があって、
オルハン・パムクを2点選んでいたのが
印象的でした。
by lequiche (2023-10-03 09:49)
>lequiche 様
埋もれていたラジカセが久々に活躍しました(笑)。
もっと前には子供向けの「ソノシート」付き雑誌とい
うのも流行って、片付けをしたら大量に出てきました。
3万円で・・という企画、面白いですね!図書館で本
の雑誌10月号を見つけたので、早速読みました。
lequiche 様が選ばれる本もお聞きしてみたいけれど
全く聞いたことがない難しい本が並びそうな予感が。。
オルハン・パムク、「雪」「ペストの夜」「私の名は
赤」など読んでみたいですが、長編はしんどいかなあ。
(10/7にコメントを一部書き直しました。スミマセン。)
by うりくま (2023-10-07 11:12)
いえいえ。私は軟弱な本しか読みませんので。
今、気になっているのはインスクリプトという出版社です。
ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション
というのがあるんですがちょっと高価なので躊躇してます。
阿部日奈子『野の植物』というのも興味があります。
by lequiche (2023-10-08 19:43)
> lequiche 様
読者にも3万円で買いたい本を選んでもらう企画があっ
たら良いですね~。 インスクリプトという出版社も、
ジュール・ヴェルヌにそのような作品がたくさんある事
も知らず、勉強になります。中上健次もあるのですね。
やはり lequiche 様は読書の質、量、次元が違う・・!
最近は話が複雑だったり、登場人物が多くなっただけで
意識が遠のいてしまって無理がきかなくなりました。涙
by うりくま (2023-10-08 22:16)